なにものにもならないように
なにかに傾倒しないように
曲がった首はまっすぐに
この夏が終わったら
秋の適度に透き通ったおいしい空気のなかで
ゆったりとした時間をかみしめ、休みを過ごす
ことを夢想する君はだれだ
なにものにもならないように
なにかに特別な幸せを感じずに
投げた視線は足元に
今夜は帰ったら
秋の音擦れを告げる虫の音をそばに聴き
心暖まる映画の一本を青白い光として浴びよう
なんて計画をする君はだれだ
なにものにもならないように
なにかに気をとられず
泣ける映画は元の棚に
ぼくのまわりには
成長し、努力し、志し、面白いと思えば笑い、
時としてあきらめ学び、思いついたように悲しみを注ぐ
ひとたちばかり
彼は彼らしくなり
なんでも彼の見るものは
彼の考えに
さっきお店にいたら
言葉の話せない、鳴き声を出す
ひとりの痩せた男の子が、叫びながら入ってきた
叫び声はお店の流すBGMに乗って
ここが本当はどこでもなかったことを
僕に気づかせた
だけど僕はその店でその店の客となり買い物をしたかった
その男の子には、今すぐ出て行ってほしかった
彼がいなければ、僕はこの店で
僕にぴったりの商品を選ぶ僕になれたはずだった
僕はなにも買わず店を出た
なにものにもならないように
2013-09-07
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