2010-09-26

コトヌー零細漁港とその仕事

青年海外協力隊員としてコトヌー零細漁港に配属され1カ月が過ぎました。協力隊の数少ないノルマとして、任期2年間の間に5つの報告書を提出することが義務づけられています。その1号目は任国到着後3か月を目安に提出ということで、丁度今提出するところです。”活動地域及び配属先の概要”という題目で、以下のような所だと書いた次第です。

””活動地域であるコトヌー零細漁港は商業的中心地のひとつであるガンヒ地区と貨物船の発着する大規模なコトヌー商業港の間に位置する小さなエリアである。漁港の海側には水産物の水揚げのための桟橋、計量・卸売りのための半屋内施設、漁具・船外機の修理場、製氷・冷蔵施設、漁港事務所などが連なっており、これに面するように仲買人たちの作業場・保存設備と、この漁港に出入りする漁業者・仲買人が利用する雑貨店・青果店・屋台・美容室・祈祷所などがひしめきあっている。そのためこの漁港は水産物の流通拠点としてだけでなくそれを担う人たちの生活空間として機能している。コトヌー漁港の特徴として漁港を利用する漁業者にはベナン人以外にもガーナ人やトーゴ人も数多く、コトヌーの主用言語であるフォン語だけでなくミナ語・プラ語(ポポ語)・エベ語・英語などが使用されている。””

もちろんフランス語も話していますが、、
そんな所で私は漁港の統計担当部署に勤務することになったのです。

””私の所属するコトヌー零細漁港の統計担当部署は、漁港で水揚げ・卸売りが行われる際に計量担当者が記録した以下の項目データ;日付、漁船登録番号もしくは漁業者名、乗船人数、魚種、漁獲量を集計し漁港長および漁業局に報告する業務を担っている。私の着任以前は前任の協力隊員が上記のデータ集計のためのデータベースを作成し、当時の担当職員はデータ入力と月報の作成を行っていた。その後その職員が退職したことなどから現在この部署には所属する職員がいない。年内中に新規職員が配属される予定とのことである。また漁港には水産関連分野を専攻する大学や専門学校からの研修生が来ており、統計部署の空いているスペースが彼らの待機場所となっているため、隊員にとって役立つ情報収集の場ともなっている。””

ここに協力隊員の私がなんで呼ばれたかというと、

””前項冒頭に記述したことが担当部署の業務であり、現在この部署には協力隊員しかいないことから、おのずと以前まで職員が行っていた業務を同様に行うことが求められている。将来的には漁港職員がデータベースの利用と維持管理を行うことを想定して、それに向けたデータベースの作成も行っているが、データ収集項目の追加などに関しては漁業局および漁港職員の要請と了解を得て進めるべきである。ただし、現段階では同じ職場で働く漁港職員から現行の業務内容の改変や別業務の追加などといった要望は聞かれない。また漁業局の水産統計担当者が休暇中であるためまだ面会の機会がなく、統計データを活用する省庁側としてのこの部署に対する希望・要望の有無とその内容はまだ把握できていない。おそらく受け身の姿勢ではこの部署に対して差し迫った要請は発生しないであろう。であるから、この部署が関係しうる様々な立場の人のニーズを掘り起こしそれに統計担当部署としてできることを提案し協力しあっていくというのが協力隊員に求められていることだと考えている。””

考えているわけです。
これからの計画をちゃんと考えたか、と問われれば、

””着任から活動を開始するのにまず意識したことは前任者の業務を引き継ぐということである。前任者とその同僚が私の着任以前まで続けていた業務を継続することが配属先の喫緊の要望であり、私自身は漁港長および漁港職員に協力隊員として存在感を示し職場に受け入れてもらうことを望んでいたので、着任から今までの活動は順調な滑り出しだった。今後の活動として前項に書いたニーズの掘り起こしのために漁業局の水産統計担当者と接触する機会を持ち、意見・情報交換ができる関係を築くことが重要だと考えている。データ活用の実態と今後の活用の可能性を把握すること、それに伴うデータ収集項目と収集方法の再検討が必要である。また漁港内にある統計部署として漁港利用者に役立つような業務も模索していきたいと考えているので、漁港内での業務を引き続き継続しながら漁業者や仲買人とも接触をしていく。””

というところです。
報告書の文章はこんなようですが、そこであまりに漠然として書いてないことはたくさんあって、毎朝通勤のタクシーを捕まえるの振り返りながら30分くらい歩いたり、もういいやと漁港まで10Km歩きとおしたり、雨が降ったらタクシーがいないから通勤を遅らせたり、今日は魚が揚がらないから職員はベンチに寝転がっていて、たまに話しかけに行ってフォン語やプラ語をまぜこぜに教わって何も分からなかったり、しつこく部屋に遊びに来る子供を追い払ったり、休日なしに働いている職員を見て自分はどう休めばいいのか悩んだり、もう早く退勤したり、毎日一人で出勤日誌を書いたり、

社会経験とかいう得体のしれないものの経験がなく、協力隊というノルマがない立場にいる私ですが、
仕事に対する動機づけを強く持つこと(ヤルぞ!ガツガツ!カチッ!スマート!)
そんな義務感ではなく仕事をただの生活(習慣)とすること(そろそろ。まあまあ。のんびり。どっちでも。)
こんな二つのバランスを取ることが、ここでの仕事(生活)を二年間楽しむために必要だと思い始めた25歳。

 
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