2012-05-14

スラム街のこれから Placodji

コトヌー市はラグーンの海への出口によって二つに分かれている。そのラグーンの出口付近の西岸から海岸に挟まれた地帯はplacodji(プラコジ)地区と呼ばれる。ここはコトヌーでも有数のスラム街と言われており、飛行機からもしくはラグーンにかかる橋からも水辺に面して広がる掘立小屋の区画が目に入る。ほとんどの住人は無許可でこの地区に小屋を建て住みついている。警察の手も入りにくいことから、犯罪者の逃げ場、隠れ場としても機能しているらしく、治安のコントロールができない地区として危険視されている。JICA関係者には恒常的に立ち入り禁止地域に指定されているため、私は実際に中に足を踏み入れることはできない。 この地区は私の活動するコトヌー零細漁港から数百メートルの近さにあり、実は漁港にいる漁師や魚の仲買人にはこの地区に住みついている人も多くいる。
以下は私の同僚が物見に出掛けていって得た情報である。彼によれば、先週から政府によってこの地区の岸辺付近の住居の取り壊しが始まった。波打ち際すれすれまで建てられていた小屋が重機によって瓦礫にされた景色が、二面の岸辺沿いに続いているという。

これは彼がプラコジ地区の一番端の河口側から撮影した写真だそうで、瓦礫の広がっている様子が見える。先週取り壊しが始まってのち、知り合いの仲買人が住む場所がなくなって困っているという嘆きも聞いたし、三日間に渡って抗議のデモ行進が漁港内を通りすぎていった。しかしながら、不法に住みついているといことや治安の悪さから、外部者にとっては壊されて当然という雰囲気があるようだ。(以下、デモの音源。コトヌーであまり聞いたことのないリズムでした。)

先週の取り壊しが行われた経緯については定かな情報を見つけていないが、3月にはやはりコトヌー有数の「スラム街」であるzongo(ゾンゴ)地区も取り壊され平地にされており、これはベナンの報道機関によると、コトヌー市当局が市の景観美化と魅力向上のために取り壊しを行ったとのこと。今回の場合、一説には漁港とプラコジ地区の間にある高級ホテルには国の資金が投入されているので、景観の改善やイメージ向上のためにも取り壊しが急いで行われたとも。
壊されてこれからどうなるのか知りたい。協力隊を終えてからこの地区に立ち入ることが今後あるかないか、今はよく分からないけれど。
 
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