2010-11-13

家と職場とCCFと

 基本的に平日は家から職場に通っては帰ってを繰り返していますが、帰り道にはCCF(Centre Culturel Français)フランス文化センターに週に2,3回寄っていきます。このコトヌーのCCFがどういうものかというと、図書館メディア館があり、フランス語、現地語、音楽などの授業を受けることができる教室があり、カフェがあり、展示スペースがあり、映画・コンサート・演劇などが上映・上演される舞台がある、フランス政府が運営する文化施設です。同名の施設はアフリカフランス語圏中にあるようだし、似たような内容の施設も世界中にあるようです。他の国ってのは似たようなことをやってるんだろうか。
 週に2,3度寄るというのは、フランス語の授業を受けるためで、平日2回夜2時間10人弱のクラスに入っています。受講料は一般のベナン人の払える値段でもないので、生徒はみな外国人。今はアメリカ人、イラン人、オランダ人、ベネズエラ人、レバノン人、日本人となかなかディスカッションすると会話の弾むメンバーであります。先生はベナン人。ベナン人の一般的傾向として、いつでも携帯電話に出ます。先生は電話があると、授業を放り出して外で話しこんでます。でもまあ、そんなものです。それが休憩時間だ、と思っていればいいのかもしれないですね。
 授業の前には、図書館で予習をしたり本を読んだりもしています。そういえば日本の図書館と違う点は漫画が充実しているということでした。置いてあるのはフランス産の漫画ですが、フランスはけっこう漫画が盛んな国らしいので、蔵書も多いです。日本でも人気のあるらしいメビウスMoebiusの漫画が置いてあったので、よく読んでます。それと初のフランス語文学読本としてカミュの「異邦人」を借りて読みました。プチフランス語学科一年生です。カミュは次は「ペスト」を読みたいなと思うが、少し長い。少し長いと、読む速度よりも忘却の速度が上回るため、読んでもさっぱり分からない。でも以前友人が強く勧めてくれたから是非読みたい。
 CCFは、そういった文化的なサービスを提供してくれる、個人的にひどくありがたく感じている場所です。更に幸運だったのは、ここで音楽仲間も見つけられたこと。そこでピアノを教えているベナン人の先生と息投合して、しばしば二人で曲を合わせたりしている。そのおかげでベースを買い、ベースアンプを買い、ベースを担いで移動している。外国人なうえに楽器など背負っていると、目立ち過ぎて最初は気になるが、その内どうでもよくなる。いまに人前で演奏しようと二人で話しながらも、自分的には実力不足の不安と焦りを隠せません。でもセッションして、彼も僕も、いい音が鳴ったら「いい音だったね」と一緒に楽しみながら共感できる。これは僕がベナンに来て、なかなか他人と共感することに困難を感じている中で、非常な安心感を与えてくれた気がする。
 これからは、更にDVDのレンタルなどしてフランス映画を色々と物色してみたり(ヌーベルヴァーグの映画いくつか観てみたいなあ)、映画やコンサートなどのイベントもどんどん顔を出したいなあと思う(近日中にサリフ・ケイタがやってくる!)。そこで話の合う友達もできたらなあ。(外人たくさんいるしな。)
 そしてそんな方向性は、いつも近くにいる近所や職場で一緒の人達の世界とはかすりもしない。家と職場とCCFと、いつもせわしなく行き来をしている。
 
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