2012-01-13

みかけしな [私たちの言葉]


 最近コトヌー市内で目立っていた広告シリーズ。右下にはBénin-Suisse30 ans(ベナン-スイス30年)と書かれており、スイスによるベナンへの援助協力が始まって30年を記念して活動の成果らしきものを宣伝している。左下にはフランス語で「私たちは読み書きを習いました、私たちは私たちの言葉を書くことも読むこともできます、私たちはそれを誇りに思います。」と書いてあります。
 この広告を目にしたとき、学校に行かない子供の就学率を上げるとか、児童のフランス語の識字率向上のための活動が行われたのかと最初思ったのだが、写真に写っている子供たちの後ろの黒板を見ると良く見たら、どうやら違うよう。Kodjo gossin Porto N...(コジョはポルトノヴォの出身です。)とか、1=dokpo, 2=wè, 3=atonとか、フォン語の単語が書かれている。
 元来文字の無い言語ということで、ベナンでフォン語の読み書きをする人は多くないと認識している。そんな言語の識字をスイスの援助でどんな風に行っているのか気になる。スイス政府のサイトで主要な援助内容の一覧を見たが、子供の現地語教育については情報が見つからなかった。
 この広告のシリーズでは、記憶が正しければ、同じような文体で「私は漁師です。私はベナンの人々を賄っています。私はそれを誇りに思います。」というのもある。この場合は、一般的に社会的にも経済的にも地位の低い漁師を応援して自信を持たせるような方向性の活動が行われたのかなと想像されます。けれど、この識字教育に関しては、「言葉は話せるだけでなく読み書きできる方が優れている」という前提を受け入れて、更にそれに続く発展に価値があると同調していいのか、と考えさせる。

追記01/02/2012:
同じベナンの協力隊の仲間で現地語識字教育に関わっている隊員がいたので、話を聞いてみた。彼女が関わっている識字教室のクラスは大人の女性が対象だそうで、写真のような子供たちのクラスはないそうだ。大人が学ぶということだから、子供と違い何かしらの学習の動機か実用性があるのではないかという話になり、確かな情報ではないけれど宗教的な理由が大きいのではないかと想像された。前にブログでも紹介したように、現地語で書かれた書籍というのはあまりないが、聖書は現地語に翻訳されたものがある。それを読みたいというのが、現地語の読み書きを習う強い動機になるのではないか。

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